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2026年本屋大賞ノミネート作品『イン・ザ・メガチャーチ』はこんな人におすすめ|あらすじ、レビュー

小説

先ほど発表された「2026年本屋大賞ノミネート作品」の1冊『イン・ザ・メガチャーチ』。

この作品を一言で言うと、ずばり「推し活の光と影」です。

もうその一言に尽きる……!

これは本当に読んで体感してみてほしいです。
特に、今「推しがいるよ」って方!

共感する部分もあるだろうし、しない部分もあるだろうけれど、この物語が語る「推し活の側面」は、推しがいる人なら誰もが思い当たるところがあるはず。

朝井リョウさん節も光っていて、まさに「推し活マーケティング論文」とも言えるかもしれない。

濃厚な小説を読みたい方、絶対におすすめです。

この記事を読んでわかること
  • 『イン・ザ・メガチャーチ』のあらすじ
  • ネタバレありのレビュー
  • 『イン・ザ・メガチャーチ』の次に読む小説
  • 『イン・ザ・メガチャーチ』基本情報とあらすじ

『イン・ザ・メガチャーチ』基本情報とあらすじ

書名:イン・ザ・メガチャーチ
著者:朝井リョウ
出版社:日経BP 日本経済新聞出版
出版年月:2025年9月
小説形態:長編
ジャンル(またはテーマ):推し活、群像劇
その他:2026年本屋大賞ノミネート作品
ISBN:9784296121045(単行本)


アイドル運営に携わる40代男性、癒やしを求める内向的な大学生、そして舞台俳優に情熱を注ぐ30代女性。
熱狂の渦中にいる者、仕掛ける者、かつて身を置いていた者――

「物語」という名の救済は、いつしか個人の意思を超えた巨大な宗教(メガチャーチ)へと変貌していく。「推し活」の幸福と、その裏に潜む恐るべき支配構造。
現代を生きる私たちが何に操られ、何を信じているのかを突きつける、衝撃の作家生活15周年記念作品。

『イン・ザ・メガチャーチ』の主な登場人物

久保田慶彦(くぼた よしひこ)
レコード会社の財務部に勤務する47歳。
離婚して一人暮らしをしている。ひょんなことから、あるアイドルグループの運営に携わることとなる。

武藤澄香(むとう すみか)
慶彦の娘で、九州の大学に通う女子大生。
繊細で内向的な気質ゆえに生きづらさを抱えており、心身の癒やしを求めて、ある「物語」に傾倒していく。

隅川絢子(すみかわ あやこ)
30代半ばの会社員。仲間と共に舞台俳優を熱心に応援することが生きがい。
ある報道をきっかけにその日常が揺らぎはじめる。

『イン・ザ・メガチャーチ』は、こんなあなたにおすすめ

以下の3つに当てはまる人は、『イン・ザ・メガチャーチ』をめちゃくちゃおすすめします!

  • 今、「推し」がいる
  • 推し活をしている(かつてしていた)
  • 物語に心を動かされたことがある

ぶっ刺さりますよ。


『イン・ザ・メガチャーチ』ネタバレありの感想・レビュー

ここからは盛大にネタバレしながらレビューしますので、ご注意くださいませ!

視野を拡げることと視野を狭めること

すみちゃんが二人いるのは、ひとりは相手が過去の「推し活に精を出していた自分」だと思っている隅川絢子。そして、もうひとりは相手が過去の「視野を拡げようとする自分」だと思っている武藤澄香。
14章の「すみちゃん」はどっちなのか、私はどっちもだと思っている。

視野を拡げようという周囲の友人たちと過ごす日々が辛くなっていた澄香は、視野を狭めることが幸せだと気づいて、推し活にのめりこんでいく。
一方、隅川絢子は視野を拡げることが大事だと思って、宗教活動のようなことにのめりこんでいく。

仕掛け人側である久保田が、娘の澄香がなにをしているのかに気づいて絶望する、というような内容を無意識のうちに想像していたのだけれど、それとはまったく違った。そんな簡単な話ではないのだ。

仕掛け人であった久保田すらも、物語に飲み込まれ自分の視野を狭めてしまって、道哉に拒絶されるという展開。
なんとも報われない。久保田の気持ちも想像できるだけに、切なさが残った。

人を心を動かす「物語」

物語に人って心を動かされますよね。それは真理というか、もうそういうものだと思う。

デビューするメンバーを決めるまでの物語を見せるというのは、最大のマーケティング手法だし、やっぱりずーっと見てきた人に愛着がわいたり、親近感を持ったりするのって当然ですしね。

行動経済学で言う「単純接触効果」も同時に働くんでしょうね。
何度もその対象に触れるうちに、対象を好ましく思うようになるってやつです。

たとえば、街中でよく聞く音楽をいつの間にか好きになっていた、とか。
最初は別に好みでもなかったのに、テレビでよく見かけるタレントに、次第に好意を持つようになっていた、とか。

これが起こるメカニズムは、何度も対象に触れるうちに脳の処理速度が上がるから。
対象に触れる度に脳での処理がどんどんスムーズになって、それを脳が好ましさだと勘違いするから、だとか。

その人の物語に触れるにつれて、どんどん好きになっていく。推しになる。
物語の力って本当に強大なので、怖くもあるんですがね。

『イン・ザ・メガチャーチ』まとめ

  • 『イン・ザ・メガチャーチ』は、現代の「推し活」に潜む光と影を鋭く抉り出した衝撃作
  • 「物語」という救いが、個人の意思を超えた巨大な宗教(メガチャーチ)へ変貌する恐怖と恍惚を体験できる
  • 朝井リョウ氏の作家生活15周年を飾る、緻密なマーケティング論のような群像劇
  • 「推し」がいる人はもちろん、物語に心を動かされた経験のあるすべての人に刺さる1冊

nanakko

元司書で現ライターのnanakkoです。
 
子どものころから本が大好きで、大学では小説創作を専攻。
会社員を経て、国立大学図書館の司書に。
 
小説、お芝居(映画・ドラマ・舞台・アニメなど)、音楽が好き。
プロの技が詰まったエンターテイメントに感動します。
 
このブログでは、私が好きなエンタメ作品について共有できればと思っています!
 
心が動いた瞬間を忘れないよう、文章で記録していきます。
 
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