これは本当におもしろかった!
「殺し屋」と「営業」という一見遠い存在であるものをかけ合わせた時点でもう強い。
おもしろくならない訳がない。
だって「殺し屋に最強の営業マンがついたら、どうなるのか」知りたくないですか?
殺しの依頼を取ってくる営業ってどんなのか気になりますよね?
読もうか迷っている方、ぜひ買って読んでみてください!
え、まだ迷ってるって……?
それなら、この記事を読み終わるころには、もう迷わせません。
- 『殺し屋の営業術』のあらすじ・主な登場人物
- 『殺し屋の営業術』がおすすめの人
- ネタバレありのレビュー
- 『殺し屋の営業術』の次に読む小説
『殺し屋の営業術』基本情報とあらすじ
書名:殺し屋の営業術
著者:野宮 有(のみや ゆう)
出版社:講談社
出版年月:2025年8月
小説形態:長編
ジャンル(またはテーマ):ミステリ、殺し屋×営業
その他:第71回(2025年)江戸川乱歩賞受賞作
ISBN:9784065403303
トップセールスマンの鳥井は、訪問先で事件に巻き込まれ、殺し屋に命を狙われる。
絶体絶命の瞬間、彼が口にしたのは命乞いではなく、殺し屋の「低すぎる成約率」へのダメ出しだった。
「私を雇えば、あなたを救って差し上げます」
圧倒的なプレゼン能力で殺人請負会社へ入社した鳥井の武器は、銃火器ではなく「言葉」。
裏社会で、前代未聞の「命がけの営業」が幕をあける――
『殺し屋の営業術』の主な登場人物
鳥井一樹(とりい かずき)
契約成立のためには手段を選ばない、営業成績1位の凄腕セールスマン。
ある日、訪問先で事件に遭遇し、殺し屋に捕まる。
風間
鳥井の訪問先にいた男。殺人請負会社<極東コンサルティング>の社長。
耳津(みみづ)
殺人請負会社<極東コンサルティング>の殺し屋。金髪。鳥井のことをおもしろがっている。
鴎木美紅(かもめぎ みく)
広域指定暴力団<周防商会>の殺人請負事業を任されているやり手。請け負った依頼は、バディの百舌(もず)とともに自殺か事故に見せかけて完璧にこなす。
百舌(もず)
鴎木の相棒。殺し屋。耳津よりも数段強い。プログラミングの知識も持つ。
『殺し屋の営業術』はこんな人におすすめ

『殺し屋の営業術』がおすすめな人は、こちら!
- ハラハラドキドキしたい
- とにかく面白い小説が読みたい
- ミステリーが好き
この3つに当てはまる方にはぜひ読んでみてほしいんですが、もう少し詳しくお話しますね。
ハラハラドキドキしたい
この小説、本当にハラハラさせてくれました。
「鳥井どうなっちゃうんだろう……」って、読みながらずっと思っていました。
だって、今にも殺されそう……ってときに、殺し屋に成約率のダメだしをはじめちゃうんですよ?
命がいくつあっても足りないよ。
とにかく面白い小説が読みたい
「殺し屋×営業」というテーマだけで、もう面白そうじゃないですか?
そして期待を裏切りません。
面白いです。殺しの依頼を取ってくる営業のトーク術。
マーケティングとか行動経済学の知識もしっかり織り込まれているのに、商材は「殺し」っていうギャップがまたいいです。
ミステリーが好き
ミステリーとしても魅力的でした。
ネタバレになるのでなにとは言いませんが、私は完璧に騙されました。
あなたは見破れますか?
ぜひ、多くの方に読んでほしいです!
『殺し屋の営業術』ネタバレありの感想・レビュー

※ここからは、すでに『殺し屋の営業術』を読んだ方だけ読んでください。
盛大にネタバレしますので!
一言で言うと、とてもハラハラする小説でした。
鳥井は本当に営業マンとして有能でなんでも契約にこぎつけられるような人物。
でも、訪問先で殺し屋に遭遇して捕まって、死体と一緒に穴に落とされたときに、「契約率のダメだし」をはじめるんですから。
そんな言い方したら、殺されちゃうよ……!
「営業成績が改善しなかったら、風間と耳津がどうなるのか」なんて聞いちゃダメだって。
逆上するって!
ほら、撃たれた……言わんこっちゃない。
極東コンサルティングに入社してからも、苦難は続きます。
最恐のライバル鴎木との対決でも、ハラハラさせられっぱなし。
いくら物語的に、鳥井が勝つんだろうな、とわかっててもなんだか信じきれないというか、不安がよぎるんですよね。
これまでに銃弾が腕をかすめたり、アイスピックを手に刺されたりしているし……。
しかも、情報の出し方が秀逸なんです。
うまくいったね、って耳津と楽しそうに平和的な会話をしていた後に「次の瞬間、鳥井たちが乗ってきた車は完全に制御を失った」ですよ。
フラグっぽくないですか?
え、やられた……?
と、一瞬呆然としました。
でも、これ。うまいんですよ。
「乗ってきた車」なんですよ。今乗ってる車じゃないんですよ。
完全に騙されました。
鳥井、殺し屋の営業として覚醒しちゃった。
続編も期待しちゃいます。
ちなみに、野宮さんご本人がXで「続編もがんばります」って書いてらしたので、めちゃくちゃ楽しみにしています。
『殺し屋の営業術』の次に読むおすすめ小説

ここでは、『殺し屋の営業術』がおもしろかった!と感じたあなたに、次に読む小説のおすすめを元司書の管理人が、独断と偏見で紹介します!
感じる雰囲気やテーマに共通点が見いだせた作品を紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。新たな本との出会いのきっかけになれば、嬉しいです。
「殺し屋が登場する」おすすめ小説『マリアビートル』
書名:マリアビートル
著者:伊坂幸太郎
出版社:KADOKAWA
出版年月:2010年9月(単行本)
小説形態:長編
ジャンル(またはテーマ):ミステリー
その他:英国推理作家協会賞(ダガー賞)候補作
ISBN:9784041009772(文庫)
東京発盛岡行きの東北新幹線。
そこには、なぜか「物騒な奴ら」が乗り合わせていた。
幼い息子の復讐に燃える元殺し屋の木村、とにかく運が悪い殺し屋の七尾、腕は立つが性格は正反対のコンビ・蜜柑と檸檬、そして外見は優等生だが心は冷酷な中学生「王子」。
ひとつのトランクを巡り、それぞれの思惑が狭い車内で激突する。
次々と増えていく死体と、思いがけない不運の連鎖。
列車が終着駅へ向かって加速する中、生き残るのは一体誰なのか。
息をもつかせぬ疾走感と伊坂流のユーモア、そして鮮やかな伏線回収が光る、ハリウッド映画化もされた「殺し屋シリーズ」屈指の密室サスペンス!
【おすすめポイント】
超有名作品で、ハリウッド映画化もされている作品なので読んだことがある方も多いかと思いますが、「殺し屋」といえばやっぱり『マリアビートル』は外せません!
私は個人的に「新幹線ですったもんだする話」と呼んでいます。とにかく新幹線内で格闘や殺人が行われまくるんですが、語り口が軽妙なことと殺し屋たちが機関車トーマスの話をしたり、冗談を言い合ったりするせいか、重々しくありません。
むしろ殺し屋たちのやり取りがコミカルでユーモアに溢れていて、楽しくすらあります。まだ読んだことがないという方は、ぜひ読んでみてください!
「狂気がほとばしる」おすすめ小説『兎は薄氷に駆ける』
書名:兎は薄氷に駆ける
著者:貴志祐介
出版社:毎日新聞出版
出版年月:2024年3月
小説形態:長編
ジャンル(またはテーマ):ミステリー
ISBN:9784620108711
叔父殺しの容疑で逮捕された日高英之。
過酷な取り調べの末に自白した彼には、秘められた目的があった。それは15年前、殺人犯の濡れ衣を着せられ、獄死した父の無念を晴らす「復讐」だった。
物語は元リストラ請負人の調査員・垂水の視点から、息をもつかせぬ法廷劇へと加速していく。一酸化炭素中毒死の謎、そして司法制度の闇。誰が嘘をつき、誰が正義なのか。
ページをめくる手が止まらない、怒涛のリーガル・サスペンス!
【おすすめポイント】
『殺し屋の営業術』では、凄腕営業マンだった鳥井が、内面からだんだん「狂気」を獲得していく様子も描かれます。そこで、人の「狂気」に触れ、背筋がゾッとするような小説『兎は薄氷に駆ける』をおすすめします。
あんまり話すとネタバレになってはいけないので、みなさまとりあえず読んでみてください!
『殺し屋の営業術』まとめ
- 『殺し屋の営業術』は、第71回江戸川乱歩賞を受賞した、前代未聞の「殺し屋×営業」ミステリ
- 銃ではなく「言葉」を武器に裏社会を翻弄する、圧倒的なプレゼンと命がけのスリル
- 本作が気に入ったら、『マリアビートル』や『兎は薄氷に駆ける』もおすすめ



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