いつも怒っていて「描け!」とすぐ怒鳴る。
高校生とノストラダムスの予言をめぐって真剣に喧嘩したり、遠方にいる異性の教え子の様子を見に来て、ホテルも取らずに「家に泊めろ」と言ったり。
無茶苦茶なところもたくさんある。
でも、この物語を見て「先生」を人間的に嫌いにはなれない。
だって、生徒への愛情が随所に見えるから。
先生の「愛情」
教え方はスパルタだし、竹刀を持って怒鳴ってばかり。
現代なら眉をひそめられるような指導法なのかもしれない。
それでも、そこには必ず愛があった。
それがわかっているから、生徒たちは何度怒鳴られてもあの絵画教室を辞めないんだと思う。
先生は怖がられてもいたけれど、確かに慕われていた。
いつも熱心で、教え子たちを美大に合格させようと必死で。
先生には、「自分ができなかったことを実現させてやりたい」という気持ちがあったのだろう。
美大に入れば良い環境で絵が描ける。
そうしたらもっとうまくなれるし、絵を描き続けられる。
絵を描き続けることの難しさ
劇中で描かれてはいなかったが、先生は絵を描き続けて生きていくことの難しさを知っていたのだと思う。
私は絵には詳しくないが、画材には相当なお金がかかるだろうことは想像がつく。
絵を描くためのお金を稼ぐために、好きでもない仕事に就いた人もいるだろう。
でも、仕事が忙しくなってだんだん絵から離れていく。
そんな人たちを先生は見てきたんじゃないだろうか。
そういう怖さを知っているから、先生は「描け」と言い続けたように思える。
描くことを辞めてしまったら、描かない人生になってしまう。
もしかすると、先生はそれを怖れていたのかもしれない。
教え子たちが、自分が愛してやまない「絵を描く」という行為を辞めてしまうことが。



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